妄想病院
注射を打たれる度に体に穴が開いていく
心も穴だらけになる
堪え切れない寂しさを晴らしに
私はしばしばこの病院を訪れる
そうした所で淋しい事に
何ら変わりは無いと知りながら
それでも何もしないよりはマシと
悲しみ増やす薬飲みに来る
麻酔を打たれたみたい 記憶に穴が開いていく
埋まる事の無い隙間が
我慢出来ない恋しさ抑えに
私はその病室訪れる
それでも何かする勇気は無く
幻覚症状は増すばかりで
薬を貰うという名目で
病弱な王子様を見に来る
でも白い頬に指は届かない
硝子に隔離されて声さえも…
そうした所で虚しい事に
解決策は無いと知りながら
それでも君が居ないよりマシと
切なさ増やす薬飲みに来る