悠秋
街はもう10月の風が吹き
空には秋の雲
時が経つのは早いねって
誰に言うでもなく呟いた
なのにどうしてこんなにも
夜の時間は長いの?
月が私を見て笑う
進みたいの? 止まりたいの?
帰りたいの? と…
今はまだしばらくはいいよ
このままで
ゆっくり秋の景色を楽しみながら
冬を待つ
あの運命の日から丸半年
200日近くの日々が
想い出の中へと沈んでいった
貴方の顔ももう思い出せない
私にとって春は出逢いじゃなく
別れの季節だった
今もまだわだかまりはあるよ
貴方との
一緒に歩いてきた日々を振り返り
夏を想う
今はまだもう少しここに
留まっていたいよ
秋の風に哀しみを
掻き消してしまいたい。