Jacket

桜の季節が来る度に

覚悟を胸に刻めよと
桜散る日に言ったのは君で
初心を忘れる勿れと
月の砕ける夜に告げたのは僕だった

そうさ僕だったのに

躊躇ったまま受話器を取った
後悔だけが僕に過ぎった
零れた水が皿に戻らぬ様に
流した涙は消えない傷痕をなぞった

また春は巡り来るだろうけど
僕等のあの甘い日は夢の中

二人で歴史刻もうと
約束はいつの間にか忘れられ
意味の無い僕等の絆
縺れて解けてもう二度とは絡まない

なのに君はこうして

躊躇いがちに電話を掛けた
想い出ばかり頬を撫でてく
この眼で君を見ることはないだろう
それでも「声だけでも君にまた会えてよかった」

そうやっていつだって僕の心
傷付けてきたのは僕自身だった

狼狽えたまま受話器を置いた
寂しさだけが影を作った
壊れた皿で指を怪我する様に
逃した機会は癒えない傷を深く抉る

また春は巡り来るだろうけど
僕等のあの甘い日は夢の中