温繭
嗚呼、何もかも脱ぎ去って
お互い全てを分かち合いましょう
この気持ち良い微温湯の中で…
窓の外は雪景色
人々は誰かの手を探している
血の通わぬ指を包んで貰う為
冬じゃなくてもあたしは
クリスマスの恋人達みたい
無駄に感傷的
嗚呼、何もかも忘れて
二人で何処かに逃げてしまいましょう
あたしは生憎猫舌なの
夢の中で結ばれた
あの人は誰かの目を見詰めている
恋とは切なくて切なくて、切ない
独りぼっちのバスタブ
人肌の温度の繭に篭る
まるで胎児の様に
嗚呼、何もかも棄て去って
貴方に全てを捧げてあげましょう
その心地良い体温の中で…
さあ、理性ごと忘れて
二人で天まで昇り詰めましょう
今なら真実を覗けるから
嗚呼、何もかも脱ぎ去って
お互い全てを分かち合いましょう
この気持ち良い微温湯の中で…