轍
死んだら永遠のお別れをしなければいけない
首を締められた位では死んだりはしない
月は静寂の夜だけに昇る訳じゃない
夜に犯罪が限られている訳でもない
冬の災害でお別れを強いられもせずに
気付けば生まれ故郷、幼馴染みさえも忘れて
誰も答え等知らない問いに取り憑かれて
終わりが見えない道ならばと逃げ続けていた
嗚呼、それだけの人生、それだけの生き様
「肯定してよ」なんてエゴでしかない
嗚呼、それでもやはり、それ故母様の
指定される幸福なんて
何の面白味も感じられないの
男は愛したらどうしても手に入れたくなって
嘘を何食わぬ顔しては上塗りしていく
それは我儘な父親に限る訳じゃなく
昔好きだったあの人さえそうだった
嗚呼、そんな事承知、そうだと割り切って
「慰めてよ」だけで終われるなら
嗚呼、それならやはり、それなら要らぬと
開始されるその時よりも>前に
君に魅力感じたりしない
嗚呼、これだけの人生、これだけの生き様
「肯定してよ」なんてエゴでしかない
嗚呼、それでもやはり、それ故この足で
踏み固めるしかないじゃない
嗚呼、そんな事承知、そうだと割り切って
「励ましてよ」だけじゃ終われないけど
嗚呼、それでもやはり、それ故尚更
停止されるその時よりも>前に
此処に轍刻み付けて往く