Cosmos and Chaos
Jacket

非常階段

オレンジ色に染まってく階段の手摺りを
誰かが差し伸べた腕と錯覚してた
息苦しいエレベーター抜け出したは良いけど
八階建てのビルの屋上で僕は胸に詰まる物吐き出した

駆け登る人の後を追ってみても
行き着く所さえも僕は未だ知らない
[そら]へと続く非常階段

 

彼方で光る稲妻は僕の家の傍に落ちたが
それは決して君の居場所じゃない
都会[ここ]の空と君の空が同じだと言ったのは一体誰だっけ?

漂う煙も溜まってく雨も
僕を引き止めやしない 君も知っているだろう?
落ちる林檎の如く自然に

駆け降りる靴の音を追ってみても
帰すべき所さえも僕は憶えてない
底へと続く非常階段

 

僕の空と君の空が同じ訳無い

逃げ道だろうが袋であろうが
走ってみぬ事には謎は闇の中だ
柵は[あたか]も檻の様相

在るべき姿は時代が変えゆく
しかし尚も[]まない君への胸騒ぎ
何処へと伸びる非常階段