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なりすまし(?)アカウントを通報したら斜め上の煽られ方をした件

 最近こういうネタ多いので私はそろそろ普通に曲を書く人に戻りたい。

 結論から言うと、当該サイトに登録する(アカウントを引き継ぐ)事にしました

ですのでこれ以降、今回問題となったサイトに私のページがあってもご報告は不要です。ありがとうございます。

なりすましアカウント…?

 ネットの海をサーフィン(エゴサ)してたら、中国の「看见[Kanjian]」というサイトで私の曲がプレビューできるようになっているのを発見。しかも

  • リリース日が正しくない(誰かが手動でアップロードしている)
  • プロフィールページがあり、あたかも私がこのサイトに登録しているように見える
  • 「状態:署名された」という単語が表示されている

ので、「うえぇ、これはまさかなりすましってやつ?」と思って通報してみました。
 今回のサイトはページ下部の「Contacts」に権利関係の問い合わせ先がありました。ありがとうGoogle翻訳。

最初のメール

 見つけたその日(日本時間で1月16日の夕方)に以下のメールを送信。
 内容は前回の無断転載の時に送ったものとほぼ同じです。実際に送信したものの丸コピですが、テンパってほぼ同一の内容の文章がダブったまま送信していたみたいなのでそこだけ削りました。

詳細

Title: Spoofed accounts?

Dear Sirs/Madams,

My name is Sophia and I make music as "Cosmos and Chaos".
I publish my music on niconico, SoundCloud, and so on.

The reason why I am writing this email to you is I found that a profile page of "Cosmos and Chaos" is on your website "KANJIAN".
http://www.kanjian.com/user/714730/
Moreover, two of my songs are uploaded on the profile with incorrect release date.

I do not have the KANJIAN account, therefore I regard this as a spoofed account.
I would like to you take proper management: delete the page and the contents.

The licence and more information are available on
(URL)

Faithfully yours,
Sophia

和訳

件名:なりすましアカウント?

私は「Cosmos and Chaos」として音楽活動をしているSophiaと申します。
niconicoやSoundCloud等で活動しています。

このメールをお送りする理由は、貴サイトに「Cosmos and Chaos」のプロフィールページがあるからです。
更に、私の曲が2曲、正しくない公開日にアップロードされています。

私はKanjianのアカウントを持っていませんので、これはなりすましアカウントだと思います。
適切な処置を希望します。つまり、ページとコンテンツを削除してください。

ライセンスや詳しい情報は以下にあります。

 この段階では悪者は「私になりすましてコピーをアップロードしている誰か(個人)」だと思っているので、メールの内容は丁寧めです。

運営から予想の斜め上の煽られ方をした

 翌17日の深夜(日付が変わる前)に運営から返信メールがありました。
 流石にこれは勝手に転載するとまずいかもなので、日本語に訳してさらに要約したものを載せます。挨拶文とか会社説明文は省略しますね。

まず、なりすましというのは誤解です。私共はJamendoで貴方を知りました。貴方の音楽が本物だと思ったので、より沢山の人に無料で聴いてもらおうと思い、自サイトでシェアした次第です。

 Jamendoというのは海外の音楽の投稿サイトです。

Jamendo was originally introduced as a service for releasing music under the Creative Commons licenses. As of October, 2015, Jamendo no longer advertises its music as Creative Commons but rather free to play and download for personal use.

 私も登録していて、去年の秋まではKANJIANに転載された2つの楽曲をCCライセンスの元で無料頒布していました。現在は利用規約の改定に伴い、いずれもそこでは公開していません。

 なんというか……もう既にツッコミどころ満載なんですけど。つまり、(個人による)なりすましではないけれども、サイト運営側が自らコンテンツを他サイトからコピーしている、と。
 いやまあ無料で頒布してたけどさ…。それなら、ちゃんと配布していた当時のCCライセンスに準拠してやってもらいたい。ライセンスの話は後述します。
 因みに、このメール中で曲の権利関係について触れられる事はありませんでした。向こうとしては「無料なんでしょ? だから勝手にシェア(コピー)しても良いよね?」っていうくらいのリテラシーなんだと思います。どこの無断転載erだよテンプレかと思った。

 しかも更にこんな煽り方を。

 お分かりかと思いますが、既に437人ものフォロワーが付いています。[プロフィールページのスクショを添付]

 知 っ て る よ ! だから余計ムカついてるのに何というか…あの…私が何に対して怒ってるか全然解ってない?

 その後は「アカウントを管理したいならこの情報で登録してください」「どうしても消したいなら意志を尊重します」との事でまあまあまともな対応でしたが……最初のインパクトが強すぎて本気で暫く言葉が出ませんでした。
 あと、「登録して」って書いてあるから新規でアカウント作ったのに、実は「ログインして」の間違いでうっかり複垢使いになってしまうという。中国のサイトは退会フォームが無い事が多く、此処も例に漏れずだったのでとりあえずミスって作った方は放置です。
 問い合わせが来たからって本人確認も無しにログイン情報(IDとパスワード)をメールで送ってきちゃうのもどうかと思いますが。

溜飲が下がらないのでビシッと言ってやった

 CCライセンスで頒布しているとはいえ、一応、「最悪私の名前を書いてたら転載もOK」とは追加の許諾条件に入っていますし(近日中に見直す予定です)、これが個人のやった事なら運営に削除お願いして終わりで済んだのですが、今回は以下の点が悪質だなと思ったので、権利を振りかざして一矢報いてやりました。向こうがちゃんとメール読んでるかどうかわからないけど。

  • 組織的に音源を自社サーバーへコピー&無断で頒布。アップロードは手動のようですが、自動じゃないから罪が軽くなる訳ではないし、私以外にも知らずに再配布されているアーティストさんが居るのでは
  • (厳密に言えば)ライセンス違反。詳しくは後述
  • 配布ページが、あたかも私がそのサイトに登録しているように見えること。これもまたライセンスに抵触しますし、なりすましを疑われても仕方が無い

 何よりも、運営はリスナーを騙しているのです。リリース日を始め、楽曲の登録情報には間違いや抜けがありましたし、アーティストページには私の名前以外の情報が全くありませんでした。このサイト(本拠地)のURLはおろか、データ元のJamendoのURLすら無い。当然、ライセンスの表示も無い。

 こんなサイトに登録するのは正直嫌でしたし、登録した今も不安が残ります。しかし、フォロワー430人余り、楽曲に「いいね」を付けてくれた方7名、その殆どがスパムアカウントだとしても、少なくとも1人くらいは本当に曲を聴いてフォローしたりいいねしてくれた人が居ると思うと、自分の手で正しい情報を流した方が良いかなという結論に至りました。
 実際、本当に削除してもらえるかという懸念もありましたし、消してもらった所でまた別の社員が再登録するかもしれないし。ならもうなりすまし防止の為にアカウント譲り受けますよ。

怒りをぶつけたメール

 実際に送ったものそのまま。途中でライセンスの綴りが米語になったり英語になったりしてるのでコピペで使われる時はご注意を。
 記事中で書く事しか書いてないので日本語訳は省略させていただきます。一応ビジネスメールなので建前で書いている事もあります。

Dear Sir or Madam,

Thank you for your response.
I decided to make an account of your site because the follower and the listener are innocent.
I will make a decision of the treatment of my songs after that.

As a musician, I have things to say to you, but I would like to explain why I doubted that the page is a spoofed account.

First, the upload dates are incorrect, as mentioned.

Second, the URL of the page has a word "user".
It is very misleading. As you know, I do not use your site, but there is a page just as if I am using your service.

Third, the words "Type : Signed" is on the pages.
Who signed for what?

By the way, your action is definitely a license violation, because the licence of my songs on Jamendo was CC BY-NC-SA (the Creative Commons Licence Attribution-NonCommercial-ShareAlike).
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0/
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0/deed.zh
(Actually, I deleted my songs from Jamendo due to another problem last year.)
See also https://creativecommons.org/faq/#are-creative-commons-licenses-enforceable-in-a-court-of-law

There are many contents under the CC licence on Jamendo.
If you import them, you should provide a link to the license not only appropriate credit.

And also I prohibit using my songs for commercial use, and this licence is also applied to the copies.
Please do not forget that free distribution does not mean that you may use contents freely.

Regards,
Sophia

 登録した後で判ったんですが、「Type : Signed」というのはレコード会社やレーベルと契約しているか、という事のようです。

 メール文中のライセンスはJamendoにアップロードした当時に使っていたと思われるバージョンにしてあります。
 今はより新しい版が出ているので、最新のライセンスは各作品ページでご確認ください。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて

 此処から先は体験談じゃなくてライセンスの紹介と、今回やられた事の何がいけなかったかの説明なので、飽きた人は読み終えてOK。

 ご存知の方も多いと思われますが(というか知っておいていただきたい事なのですが)、私の作品の殆どはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下、CCライセンス)の元で頒布されています。

 CCライセンスの詳しい説明は公式サイトの方にお任せするとして、私が今回転載された作品に設定していたのが、CC BY-NC-SA(表示 - 非営利 - 継承)ライセンスです。
 ざっくり要点をまとめると、

  1. 加工の有無を問わず、再配布は自由
  2. 原作者の名前(クレジット)を明記しないといけない
  3. 営利目的に使用してはならない
  4. 複製や二次的作品(の該当箇所)にもこのライセンスが適用される

ってな感じです。
 もう少し厳密には

  1. 再頒布する時もライセンスを表示しないといけない
  2. 許諾者が二次的利用行為を支持していると示唆するようなクレジット表記はダメ

とか、色々あります。
 日本のFAQには法的効力もある、と書かれていますが、本家の方では「法的に無効だとされた事は無い」的な事が書かれていました。無視すると訴えられた時不利かも。

 基本的には、誰かが私の曲をカバーしたり、PVを作ってくれたりする時に、一々私に許可取らずに勝手に作って公開してもらって良いですよ、という事を表明する為にこのライセンスを使っています。
 だから今回の企業による複製というのは完全に想定外でした。相手が個人の場合は、厳密な所はある程度大目に見れるんですけど(追加の許諾条件で「大目に見ますよ」と言っている部分もあるし)。

 今回の件について順番に見ていきましょう。
 まず1.2.については大丈夫です。一応名前は書いてあったので。
 3.については今回は微妙ですよね。登録後判明しましたが、このサイトはアーティストが楽曲を販売する時に手数料を取って稼いでいるようです。私の楽曲は無料に設定してあったのですが、公式アプリもあるようなので、そこで広告収入などを得ているならば、営利目的の利用と判断されかねません。
 また、4.5.のライセンス表示もありません。JamendoにはCCライセンスの楽曲が沢山あります。Jamendoから持ってきている、と言うならば、ライセンスの表示は標準装備するべきでしょう。また、現在は(Wikipedia曰く)Jamendoは個人利用向けの音楽置き場になっているので、企業が自社コンテンツの拡充の為に利用するのはどう考えてもアウトです。
 また、6.については完全にアウト。私が見ても「このサイトに『Cosmos and Chaos』というアーティストが登録して、自ら楽曲をアップしているんだな」と思うようなページだったんですから。

 まあそんなこんなで、色々考えましたが、とりあえず楽曲が手元に戻って良かったです。削除にも引き渡しにも応じてくれなかったらどうしようかと思った。
 皆様もお気を付け下さいまし。

おまけ

営利的利用禁止についての意識調査

参考リンク

 今回はおそらく被害額が無いので(あったとしても国外なので面倒だから余程でない限り)損害賠償請求はしませんが、確実に営利利用などされた場合には他の方の体験談をご参考にどうぞ。