白背景の写真を撮影・現像するポイント
ブログやSNSに小物などの写真を載せる時、やっぱり綺麗な白背景だと映えますよね。
この記事では白背景の写真を作るコツをまとめました。
Contents
綺麗な白背景の写真を撮影・現像する方法
用意するもの
- RAWデータが記録できるカメラ(一眼レフなど)
- 白い撮影用背景
- 明るい照明
- RAWデータを現像するソフト
- 画像編集ソフト(お好みで)
どうしてRAWデータが必要なの?
詳細
RAWデータというのは、カメラに取り込んんだ光の情報をそのまま記録しておくファイル形式のこと。
カメラのメーカーによって形式が異なり、例えばニコン製のカメラでは.nef
という拡張子です。
普段私達が目にする画像ファイルはJPEG形式やPNG形式がほとんどですが、これらは圧縮形式なので、ここから更に画像を編集するには向いていません。
ここで「え? 撮影技法の解説じゃないの?」と思った方も居るかもしれませんが、個人の手の届くカメラと照明と背景で加工無しで綺麗な白背景を得るのは無理です。
というか、プロの方こそカメラが書き出したままのJPEGをそのまま使ったりはしないでしょうし、多少はレタッチしているのではないでしょうか。
という事で、ガンガン加工していきますよ!
なお、RAWデータを現像するソフトについては、カメラメーカー各社が無料配布しています。
私のカメラはNikonなので、以下ではニコンのCapture NX-Dを使って説明していきます。
おすすめの撮影用背景
私はPVC(ポリ塩化ビニル)製のものを使っています

- 巻いてコンパクトに収納できる
- 水気や汚れに強い
といった点が気に入っています。
ただ、人物などの大きな被写体を撮影するには、布製や紙製の撮影用背景が必要になるでしょう。
自分が取り扱いやすいと思う物を選ぶのが良いと思います。
できるだけ陰が出来ない様に撮影する
まずは撮影時のポイント。
陰が映り込まないのはもちろんのこと、撮影範囲内の明るさが均一になるように、照明や被写体・カメラの位置を調整します。
使う照明は、点光源ではないものを複数用意すると良いでしょう。
今回例として使う写真は自然光(曇天)+部屋の蛍光灯+LED電球2つを使って撮影だったのでかなり暗いのですが、以下のLED撮影ライトを導入したら室内撮影もだいぶ楽になりました。

ストロボだと光が強すぎて、反射光や陰が出来てしまう場合に定常ライトはおすすめです。
初心者でも出来上がりの想像がしやすいメリットもあります。
コールドシュー付きのライトだとカメラにくっつけて前面から照らせるので便利です。
陰を薄くしたり、色調を調整する程度ならこのサイズでも問題無いですが、明るさの面ではもっと大きいライトの方が良かったかも。
今回はこの写真を編集していきます。

RAWデータのホワイトバランスを調整する
ここではホワイトバランスのスポイトで、白背景部分を適当にクリックすればOK。

細かい色合いの調整は、レベル補正の後で行っていきます。
露出を調整する
あまりにも全体的に暗い場合は、露出(露光)を上げておきます。

カラーコントロールポイントを使って濃い影を消していく
白背景部分は、そのままだとグレーに写っている事が多いと思います。
これをCapture NX-Dの「カラーコントロールポイント」を使って白くしていきます。

特に、このままレベル補正をしてしまうと、被写体まで白飛びしてしまうような場合に有効です。
カラーコントロールポイントは、要は指定した場所を中心に、指定した色のフィルターを良い感じに乗せてくれる機能なので、他のソフトでも似たようなものがあると思います。
カメラの特性上、端の方は暗くなりがちなので、トリミングできる場合はトリミングしてしまうのも手です。
今回は5ヶ所、白いポイントを乗せて調整しました。

レベル補正をする
Capture NX-Dでもレベル補正機能はあるのですが、私は此処からはAffinity Photoを使って編集していくことが多いです。
一旦ここでJPEGに書き出す事になります
私の場合はブログ用なので、最終的には更に画像を圧縮しますから、高性能な画像編集ソフトで1回上書き保存する程度の画像劣化は気にしていません。
画質を重視する方は大きめの解像度やTIFFで書き出すなど、工夫してください。
書き出した写真がこちら。

この状態でも十分であれば、此処で加工を止めてもOK。
今回は説明の為に、もう少し編集していきます。
白レベルの方(上限)を、スペクトルが大きく立ち上がっている麓の辺りまで下げます。
こうすると、ぼんやりと灰色がかっていた画像がクリアな印象になります。

カラーコントロールポイントでしっかり陰を取った場合は、スペクトルが上の方に貼り付いているので、被写体が白飛びしない程度に調整します。
場合によっては、黒レベルの方も少し切ったりします。
この場合は、濃い色がはっきり出てきます。
彩度・色温度・コントラストなどを最終調整
此処までで十分綺麗であれば作業は終わりです。
被写体の色を実物に近付けたり、見やすくしたりしたい場合は、各種色調整をします。
あまり弄りすぎると、せっかく白くした背景にまた色がついてしまうので、気を付けましょう。
また、色を調整する際は実物を横に置いて確認すると思いますが、モニタ付近が暗いとモニタの逆光で実物の方の色が変に見えてしまいます。
十分に部屋や手元を明るくして確認しましょう。
例に使用している写真では、シャドウと彩度、カラーバランスを調整しました。
実際に加工した写真
出来上がった写真がこちらです。

ちょっと色むらが強調されてしまったので、やりすぎたかな?
最後の手順(色味の調整)はやりすぎるとこの様に途中経過よりも背景が暗くなってしまうので、程々に。
この写真は、カラーコントロールポイントやレベル補正を控えめにして、陰が残ったままのものを以下の記事で使っているので、比べてみてください。
ダークモードにする拡張機能などを使っている方は、是非オフにして白背景にしていただけると、違いがよくわかると思います。
マスクの色は、加工控えめの方がムラが少なくて綺麗に見えますね。
実際、此方の記事では実物の見た目に近付ける方を優先しているので、多少の陰には妥協した感じです。
加工のやりすぎには注意ですが、撮影時に十分な光を均一に当てれば加工は少なくて済みます。