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コード入力支援プラグイン『InstaChord』の使い方・レビュー・作例

W. A. Productionのコード入力支援プラグイン「InstaChord」の使い方を説明します。
使用しているDAWはSONAR(Cakewalk by BandLab)です。

InstaChordの基本情報

バージョン2が出ました。

コード・コード進行入力支援VSTプラグインです。

このプラグインを他のインストゥルメントプラグインのMIDI入力に指定して使います。
MIDI上の各音にコードまたは奏法が指定されており、それぞれ1つずつノートを押さえる事でコードが鳴らせる仕組みです。
ギター音源に良くあるコード奏法のような感じです。

なお、日本では同名のハードウェアが販売予定になっており、非常にググりにくくなっております…。
「InstaChord プラグイン」などのフレーズで検索すると良いでしょう。

こちらはバージョン1の情報

InstaChord
対応OSWindows / Mac
定価 69 USD
おすすめ度
★★★★★
機能性★★★★☆
動作の軽さ★★★★★

InstaChordの使い方

InstaChordCakewalk by BandLab(旧SONAR)で使う方法を説明します。
MIDIルーティング以外は他のDAWでも共通の作業となります。

アクティベーション

シリアルコードは画面左上の「MENU」から「About」の画面を開くと、入力フォームが出てきます。
入力したら送信してオーソライズします。

追加プリセットを保存

追加プリセットを購入した場合は、プリセットフォルダに解凍したプリセットをコピーします。
プリセットフォルダは左上の「MENU」から開けます。

フォルダに入ったままコピーすると、階層でメニューに出る様になります。
数が多いので適宜フォルダ分けした方が使いやすいでしょう。

MIDIルーティングを設定する

SONARでのMIDIルーティングは、InstaChordを使いたいインストゥルメントプラグイン(音源)のMIDI入力をInstaChordに指定するだけです。
インストゥルメントプラグインおよびInstaChordはインストゥルメントトラックとして挿入して大丈夫です。
InstaChordの方はMIDI出力をオンにしてください。

MIDI入力の設定方法

MIDI Omniで鳴らない時は他のチャンネルを指定してみてください。

また、鳴らしたいインストゥルメントトラックのインプットモニターがオフになっていると音が出ませんのでご注意ください。

より詳しくは此方の動画がわかりやすかったです。
Cakewalk(SONAR)での使い方は7:20からです。

SONAR以外のDAWについては、公式の使い方動画があります。
MIDIのルーティングがいかない時はこちらをご覧ください。

ChordsとPicksを1つずつ抑える

InstaChordsの画面は以下の画像の通りです。

InstaChordの画面の見方

デフォルト状態でスクショを撮ったのでスカスカですが、プリセットを選べば結構埋まります。
自分で好きなコードや鳴らし方を設定・保存する事も出来ます。

コードの設定を読み込んだら、Chords(コードの指定)とPicks(奏法の指定)から1つずつノートを押さえます。
コードの方はノートが置かれたところで切り替えになる為、ずっと置き続ける必要はありません。

ちなみに、InstaChordでのC3はSONAR(Cakewalk by BandLab)でのC2に対応しています。

使ってみた感想

良い所

ギター音源のコード弾きみたいなやつが他の全ての音源で使えてめちゃくちゃ便利です…。
奏法は自分では作れないっぽい? のでアルペジエーターの様な自由度はありませんが、プリセットがそれなりにあるので伴奏をちゃっちゃと作るには良いと思います。

あと一歩のところ

DAWによってはシンセをフリーズさせてメモリやCPUの使用量を節約できる機能があると思います。
しかし、InstaChordを使うと、シンセをフリーズする際に元となるMIDIが入力されていないので(演奏している時に入力されていく仕組みの為)、無音で録音されてしまいます。
他のDAWだと大丈夫なのかもしれませんが、少なくともSONARではシンセのフリーズ機能が使えないので、重いインストゥルメントの入力に使う場合はリアルタイムプレビューが大変かもです。

欲を言えば、今鍵盤で押さえているコード名を表示する機能があればもっと便利だったかな。

また、割り当て範囲は必ずC始まりにする必要がる為、他の調のプリセットだとコード指定キーの割り当てが直感的ではありません。
InstaChordで作成したコード進行に合わせて後から他のトラックを打ち込んでいくのは、慣れないと割と混乱します…。

まとめ

あんまり強くお勧めする記事が無くて買うのを迷っていたのですが、自分の「伴奏トラックの作成を効率化する」目的は果たせそうなので満足です。

コードは自分で作成できますし、本や既存曲を参考にして自分でプリセットを作っておくのがベストプラクティスみたいですね。

気になった方は、トライアルバージョンが配布されていますので、一度そちらを試してみてください。

作例

使用イメージとして、実際の打ち込みと出来上がった音源を置いておきます。

使ったプリセットはEDM for Instachordの17番。

小さい鍵盤を使っているので、コマンド設定が多い列を真ん中に寄せる様に、割り当てノート範囲を変更しています。

EDM for Instachord

打ち込んだMIDIはこんな感じ。
ベロシティもちゃんと反映されます。

InstaChord用の譜面

コードを指定するノートは若干早めに置いておかないと切り替えが上手くいきません。
上の譜面では各小節の頭より1/32だけ早く置いています。

出来上がった音源がこちら。(最初少し無音があります)

これを手打ちとなるとめちゃ大変(作業時間で倍以上かかる)ので、効率化にはかなり役立ちました。

プリセットだけだと「この音に移動したいけど無いなー」と思うことが結構あるので、空いている枠に自分でコードを設定して使うというのを前提にしておいた方が良いかも。

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(というか、定価で買うならPlugin BoutiqueのScaler 2を買った方が良いかも…? 私は持っていないのですが、この手のツールでは一番評価が高いみたいです。)

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使用曲


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DTMとかやる人。