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ヴィンテージ・サンプラーを再現した「SampleTron 2」のレビュー

2021年に2が出たばかりの音源ですが、IK MultimediaのGroup Buyで入手したので、触ってみました。

SampleTron 2の基本情報

いわゆる「メロトロン系」のヴィンテージ・サンプラーからサンプリングした音色を収録しているサンプラーです。
実機からの録音以外の音色も収録されており、自分で用意した音声をインポートする事で、オリジナルの音色を鳴らす事も出来ます。

SampleTron 2
対応OSWindows / Mac (64bit)
定価 249.99 EUR
おすすめ度
★★★★★
音質・音色★★★★★
機能性★★★★★
動作の軽さ★★★★★

IK Multimediaの製品なので、他のインストゥルメントと同様、スタンドアローンでの起動やSampleTankからの音色の読み込みにも対応しています。

温かみのある太い音が得意です。

定価とクロスグレード価格の差が小さいので、初めてIK Multimediaの製品を買う時に選ぶのもおすすめです。
(他の製品はクロスグレード価格で100ユーロ以上安くなる事がほとんどで、SampleTronの購入でクロスグレード権を得る事ができるため。)

メロトロンとは

Mellotronは1960年代に開発された、磁気テープを使ったサンプラーだそうです。
詳しくはWikipediaを読みましょう。

正直な所、名機と言われても自分が生まれる前のものだとピンとこないのですが、耳触りの良い音が多く、つい弾いてしまいます。
なんだかんだ言って、今回入手した中で二番目に気に入っているかも(一番は前から欲しかったSampleTank4)。

元々温かみのある音が多い上、最大3音色まで重ねられて簡単に厚みを出せるので、実際の曲作りでも役立ちそう。
現代的なシンセと混ぜると浮くと思うので、音の雰囲気は選びますが…。

SampleTronではモデルの機種に合わせてプラグイン上の見た目も変わり、目でも楽しむことが出来ます。
曲を作る時にはあまり関係ありませんが、遊びで弾く時にはやっぱりビジュアルがある方が個人的には嬉しいですね。

SampleTron 2

傷や汚れまで再現されていますw

収録楽器・音色について

10モデルは以下の実機をベースとしたサンプリング音源。

  • Chamberlin M1
  • Mellotron® MkII
  • Mellotron® M300
  • Mellotron® M400
  • Mellotron® M400S
  • Novatron
  • Mattel® Optigan
  • Vako Orchestron
  • 360 System Digital Keyboard
  • Roland® VP-330

公式サイトの「拡張音源」の所にどの名称がどの実機に対応しているかが書いてあります。
音源拡張式ではない(最初から全部入っています)ので、このメニュー名はちょっと紛らわしいですね…。

Modernのみサンプリングではないオリジナルの音色となっています。

プリセットはこの中から最大3音色が選ばれてセットされるというもの。
機種の縛りなどは無く、複数の機種やModernが組み合わさったものが多いです。

もちろん鳴らす音は1つずつ選べるのですが、中には互いが浮いてしまう組み合わせも。
初めはプリセットから一つ外して別のものに入れ替えてみるとか、パラメータを弄って音作りをして慣れていくのが良さそうです。

そして定評があるらしいテープ・モデリング技術を使っていると謳っている本作ですが、なんとテープエフェクトはオフにする事もできます
上の画像のモデルだと、鍵盤右に付いてるスイッチで蓋を開けると、中にオンオフスイッチや強さを調節するノブがあります。

元々ウェットな音色が多いですし、そもそもそういう音源じゃ? と思いますが、まあテープエフェクトが無い方が汎用的には使いやすいので…。

まあ色々書いたんですけど、結局は実際の音を聴くのが早いですよ(最初に出せ感)。

残念な所

私の環境だとTrack Selectorを上手く操作する事が出来ません。
マウスでドラッグで動いた事もあるのですが、基本的にはその上でどう動かそうと無反応。

仕方が無いのでMIDIキーボードのコントローラーをアサインしているのですが、こちらも0--100%で設定するとAかCかしか選択できず…。
Bを選ぶ時は都度MINを1%以上にするか、MAXを99%以下にして対応しています。

音をMIXさせずに鳴らす時くらいにしか使いませんが、不便は不便ですね。

追記:端末を変えたら動いた

PC変えたら動くようになりました。
しかし上にドラッグすると下のメニューを選択するようになっていてあまり直感的じゃないですね…。

まとめ

常時スタンドアローンで立ち上げておいて、ネットサーフィンしながら適当に弾いて遊ぶ…というのが癖になりそうなくらい良い音源です。
実際にこの記事を書いている間も、ちょいちょい弾いてしまっていましたw

私の環境だけかもしれませんが、少し使いにくい所はあるものの、全体評価としてはほぼ満点に近いです。
オーケストラ系など、前面に出すとテープ感が目立って曲調を選ぶと思いますが、後ろの方で音の厚みを出す為に入れたりとかは結構できるんじゃないかと期待しています。

使用曲


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Sophia

DTMとかやる人。