舞台『犬夜叉』を観た感想
円盤を買ったものの、ずっと観れていなかったのでやっとという感じです。
感想を一言で表すと「クオリティは凄いけどいろいろ詰め込みすぎかな…」です。
以下、原作付き作品かつオリジナルストーリーではない為、ネタバレ配慮無しで書きます。
舞台「犬夜叉」
クオリティは大満足
ビジュアルや殺陣のクオリティは凄かったです。犬夜叉役の喜矢武さんはもちろん、若手の方々の演技も素晴らしかった。
特に殺生丸様と奈落のビジュアルが良い…。
殺陣はもちろんプロジェクションマッピングに頼った部分もあったのですが、アンサンブルの方々が大道具をかなり複雑に動かして工夫されていました。
喜矢武さんはほぼ出ずっぱりなのにぐるんぐるん側転していて、身体能力が犬夜叉…。
早着替えや道具の交換も手早く、かつ円盤用のアップにも耐えられる見栄えで凄かったです。
構成
犬夜叉は長い話なので、2時間ちょっとでよくここまで説明しきったな、という思いはあるものの、やはり色々やりすぎでは感。
特に序盤、和尚の話と殺生丸の話が同時進行だし、他にも問題があっさりとよくわからないままに解決してしまったり。
犬夜叉が色んな苦難を乗り越えながら成長(変化)していく、そういう過程があまり見えなかった気がします。
この構成だとなんでもかんでも「かごめすげー」で終わってしまう気が。そうそう、最初から犬夜叉が桔梗やかごめに甘々な感じなんですよね。
それにしてはバトルシーンも多く、終わってみると「演技もビジュアルも良かったし楽しかったけど、結局この話のメインテーマは何なんだ?」という気分になっていました。
あとは弥勒様の出番が少なくて残念。←これは超個人的な感想なのでお気になさらず
説明役としてどうしても必要だったんでしょうけど、いっそのこと出さなくても良かったんじゃないかなあ。
演出
なんか刀ミュっぽいな、と思って後で調べたらネルケだし演出は茅野さんでした。
茅野さんの演出、嫌いではないんですが刺さりもしないんですよね。
細々入る有名なシーンは、「あーこれ有名だから入れたかったんだろうなー」という感じがしてしまいました。
例えば犬夜叉がかごめの膝を借りるシーン。
戦闘中にいきなり何やってんだという感じだし、その後唐突に戦闘に戻っていくので「え? で? 今の台詞に対するオチみたいなの無いの??」と観ている此方が取り残されてしまいました。
演出と脚本のどちらの担当範囲かわかりませんが、そういった小さなシーンももう少し前後と繋げて大事に扱ってほしかったです。
ダンス等の演出は概ね良かったと思います。個人的には桔梗が蘇って死魂虫を連れて出てくる場面が好きです。
あとは「奈落」のある舞台を良く活かしていました。
忘れちゃいけないのが、楓ばあちゃんのキャラの濃さが凄い。
とまあ色々書きましたが、原作・アニメのファンでも納得がいくクオリティの舞台でした。
DVDはまだAmazonで取り扱いがありますので、興味のある方は是非。
舞台「犬夜叉」