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誤解を恐れずに書く刀ステ・刀ミュ比較感想

 あまりにもTwitterが刀ステ刀ミュの話ばっかりなのでそろそろこの辺で全部吐き出して楽師に戻りたいよね…
 全然興奮が収まる気配が無いのですが、そろそろ以前書いた速報じゃなくて、もう少し客観的に各舞台の批評でもしようかと。

  • この記事はゲーム刀剣乱舞-ONLINE-を原作とした2種類の舞台作品について取り扱っています
  • レポ(というか覚え書き)とは違って結構辛口です。因みにレポは此方にあります(ネタバレ注意)→ステミュ
  • ネタバレはなるべくしたくないけど演出とか比較する上でせざるを得ない部分もあるので、自己判断で
  • 公演中メモは取っていないので記憶違いもあると思います
  • 「○○の方が良かったから皆こっちを観るべき」と言いたい訳ではない。結構好みが分かれると思うので、まだ観ていない人の参考になれば

追記

 本来ミュのトライアルに当たるであろうステの初演をミュ本公演と比較している事や、私が結局ステの方しか追えていなくて最新作同士の比較ができていないことはフェアではないと思いますが、現状ミュを観る余裕が無いので当分この記事はこのままにしておきますので、新しく書き直しました。

単純に比較できない所&私の目にかかっているフィルター

 まず、刀ステの方は2時間丸々お芝居なのですが、ミュの方は1時間ちょっとのお芝居(ミュージカル)+ライブという構成になっています。
 ステの方にライブに相当する物が無い為、今回はミュのライブについてはあまり触れません。
 また、どうしてもミュージカルの方は歌で尺を取ってしまう為、結果的にステとミュでは組み込めるストーリー量に大きな差があります

 また、私は刀ステの方は舞台下手側のプレミアム席で、刀ミュについては上手側のやや後方の席で観劇しました(いずれも大阪公演)。どうしても舞台の臨場感は前の方で見る方が感じられるため、その辺りの印象にも差がある事をご理解ください。
 普通のミュージカル(劇団四季など)は映像作品も含め幾つか見た事がありましたが、2.5次元舞台は刀ステが初めて。その一ヶ月後に刀ミュを見ました。

 今回キャラクター毎の細かい感想は述べませんが、キャラ数もステの方が2倍かつ推しがこちら側に多く居たため、そのフィルターもかかっています。

 という事で、此処まで読んで大丈夫そうなら、次節からいよいよ比較感想です。

ストーリー&独自設定

 両方とも観る前は情報をシャットアウトして(ネタバレを見ないようにして)行ったのですが、はっきり言ってかなり被ってました
 原作にストーリーがあって無いようなものだから仕方ないけれど、今後は此処の差別化を図っていかないとどちらも厳しいと思います。初回だからありきたりでも仕方ないよね、と思うけれど、流石に毎回これだとちょっと…。

 ただ、ありきたりだからつまらない、という訳では決してないです。ステの方では演出でかなりカバーしていたように思います。とにかく次に誰が動くのか、何が起こるのか、ハラハラドキドキしたのはステの方です。
 ミュは前述の通り歌と時間の関係上、細かいやり取りは少なかったので。あとあまりにも物事が上手く進みすぎて、先が読めてしまうという…。

 また、どちらの作品にも舞台独自の設定があります。ステでは2部隊同時出陣、ミュでは歴史修正主義者と刀剣の共鳴など。
 正直どっちも「おいおい無理矢理だな」と思いましたが、どちらかというとミュの方がファンタジー色が強く、受け入れがたさを感じました。
 特にミュの方はそういった無理矢理な所を全部説明してしまおうという所があって、そこが更に無理矢理感を強くしているというか。ステは(私はあんまり感じなかったのですが)もやっとさせたまま終わるので、自分の中で落とし所が見つかれば良いかと。

 ただ、ステの方は見方によっては刀剣男士が悪役に見えるシーンもあります。自分の推しが汚れ役になっていたら耐えられない、と思う人には向かないかもしれません(その役の選択は、なかなか考慮されているとは思いますが)。
 また、もやっと終わらせるのは良いのですが、歴史改変の阻止という点で絶対に放置してはいけない点を残したまま終わってしまうので、細かい事を覚えている観客(私とか)は「おい…良いのかあれ…良いのか……?」と終わった後不安になりました。次シリーズへの布石だったら良く出来てるけど。

 …思い出しましたが、ミュの方も説明しきったつもりで説明されてない部分がありますね…。今剣の極とかの設定をそれとなくベースにしてるなら良いけど…。

 ストーリーの構造はかなり似通っていたとはいえ、ステとミュでは決定的な違いがありました。
 ミュの方はあくまでも刀剣男士(今剣)の話なんですが、ステは信長の話と言っても過言ではありませんでした。実際、脚本の方のインタビューからもそのように受け取れますし、劇中ではちょっとくどいくらい信長信長言ってました。
 それでもステでは各刀剣男士にそれぞれ見せ場がありましたし、信長を軸にした御蔭で蘭丸と光秀にもドラマが生まれました。ミュの方も、歴史上の人物が多いので此方は此方でちゃんとドラマがありました。個人的な印象ですがミュの方が歴史上の人物が出張っていた印象です(悪い意味ではなく)。

俳優さん

演技

 どの俳優さんも素晴らしかったです。よくキャラを研究されていて、プロだなと思いました。「所詮2.5次元」とか思っててすみませんでした。

 ただ、キャラが推しかどうか、俳優さんがベテランかどうかに関わらず、観客ひとりひとりと俳優さんとの間で、キャラの解釈違いは起こり得ます。
 私の場合は薬研(北村さん)や岩融(佐伯さん)は一寸の狂いもなく私の中の薬研・岩融そのものだったのですが、三日月(鈴木さん/黒羽さん)は皆が言う程似ているとは思いませんでした。こればっかりは実際に観てみないとわからないし、その解釈違いを受け入れられるかどうかも人によりけりなので、何とも言えませんが。

 どっこいどっこい。私の耳が肥えている所為もあると思うのですが、どちらも別に上手くない…(勿論一般人よりは上手いです)。
 ステの方は期待する以前に歌があると思っていなかったのと、人数が多く合唱だったため、此方の方が綺麗に聞こえました。ちょっと音ずれてる感じもしたけど、音響の所為かなあ。

 ミュは「ミュージカル」と銘打たれていたため、少しは期待していたのですが、やっぱり…という感じでした(TVで歌った時にそんなに上手くないなという事は知っていました)。多分『キミの詩』の高音域だと思うのですが、誰一人声が出ていない、というのは流石に残念でした。この作品は最初からこのメンバーでやっているのだから、もう少しキーを下げるとかどうにかならなかったのかと。
 また、ミュージカルというよりは、お芝居の中に歌が埋め込まれている感じです。勿論ミュージカルらしく動きながら台詞を歌うシーンもあるのですが、ほとんどが歌の為のシーン、ただ立って歌っているだけ、という印象を受けました。四季などのミュージカルを見慣れている方には少々不満が残るかもしれません。
 というか、これを乗り越えないと「所詮2.5次元」というレッテルは貼られたままだと思います。演技も歌もダンスも、というのは若い俳優さんには大変でしょうが、普通のお芝居やミュージカルでは子役だってやっている事です。私は刀剣乱舞で初めて2.5次元舞台に触れて好きになったので、もっと広く認められて欲しいと思いますし、その為にキャラクター人気を利用する事を一歩越えた何かが必要なんじゃないかなと思います。

 あと多分席が後方だったためかと思うのですが、ミュの方は台詞も歌も聴き取りづらく…。いやまあステの方は推しキャラを目に焼き付けるのに必死でほとんど聴いてなかったんですけどね(帰って来てからダイジェスト見てEDの良さに感動するなど)。
 曲自体は良曲ばかりなので余計に残念に思える…。

演出

舞台装置

 大掛かりというか、文明の力を存分に使っていたのはミュの方です。個人的には人間が古典的に頑張る演出の方が好きですが、ミュのど派手なプロジェクションマッピングもあれはあれでアリかと。
 というか、ステの方はミュの舞台装置を簡略化した感じでしたね。でも舞台上で飲んだり食べたり、舞台裏で着替えて出て来たり、やっぱり舞台の醍醐味は「人間が演じる」という所なので、そういう古典的で基本的な所を大事にしてくれたステは良かったです。

衣裳・小道具

 ステはとにかく刀剣男士の衣装の再現度が凄いです。衣裳展示見に行きたい…(遠い…)orz 刀もパンフに大きく載っていますが、職人さんの手の込んだ造りになっています。

 ミュの方はステに比べると少し生地が安っぽく見えました。実際に布地の色が明るいのか、照明の関係かわかりませんが…。ミュの方はエンターテイメントとして、敢えてキャラクターの見た目を再現する事よりも、舞台上で良く映える色を使っているのかもしれません。ライブの衣装は綺麗でした。
 また、ミュの方はアンサンブルの方々があまり着替えないで良いので、歴史修正主義者の装備が凝っていました。ひ、光る…。

 双方において、和装(下駄)やヒールの男士でも、滑りにくい靴を加工してそれらしく見せていて、小道具さんも凄い。

殺陣vsダンス

 これもどちらも凄かったです。
 ステは殺陣がメインなんじゃないかというくらい盛り沢山で、それぞれのキャラクター・俳優さんの個性を活かした振りが凝っていました。
 ミュの方は第一部では尺の都合(?)でダンスも殺陣も中途半端な感じがしました。折角ダンスが上手かったので、いっその事普通の殺陣は無しにして、ストーリーの方でもずっとダンスで曲に合わせて敵を斬っていく演出でも良かったのではないかと思います。歴史修正主義者がノリノリで踊ってるのはちょっとシュールだったけどw

 ただ、ステの方は刀を振った時の演出は基本効果音のみなんですが、ミュの方は軌跡をプロジェクションマッピングで映したりして、霊剣っぽさはありました。そういう意味でもミュはファンタジー。

キャラクター

 前述しましたが解釈違いがあると辛い人も居るかと。私は江雪推しで、私がステを観た日はまだ左文字の手合せ特殊会話の実装前で、それまでゲーム内最強という印象だった江雪があんまり活躍しなくて凄く不満でした。今は慣れましたけど。

 ステの方ではどのキャラクターにもそれぞれ見せ場があって、無駄な(とりあえず配置されただけの)キャラというのは居ませんでした。勿論、三日月・まんば・織田組の話なので、話の本筋に関係無いエピソードを丸ごと取り除けばそれ以外のキャラクターは必要無くなってくるのですが、流石にそれをやると今以上に信長信長とくどくなってしまいますね。
 全く関係無さそうなエピソードでも、一応最後の方で各キャラクターの台詞に繋がっていきますし。

 ミュは小狐丸の立ち位置が不評のようですね。私はそれほど気になりませんでしたが、確かに三日月・石切丸・小狐丸の役割はすべて同一の刀剣が担っても何とかなる気がします(実際ステでは三日月がほぼ全て担っています)。
 必要無いキャラクターが居る一方で、私は審神者の必要性にも疑問を感じます。ミュの方には台詞のある審神者が(声だけですが)登場して、あれやこれやと指示したり解説したりするんですよね。その役を存在を持て余している刀剣に割り振る事は出来た筈です。
 ライブではその審神者が観客に切り替わりますが、ストーリーの方に居る審神者と観ている自分(観客)は違う存在ですから、その辺りの繋がりの切れ目も、私個人としては上手く世界に入り込めない要因の一つになりました。

 ちなみにステの方では審神者は一切出て来ず、まんばが少し観客を審神者に見立てて話すシーンがある程度。基本的には舞台との間に壁があって、観客は傍観者ですね。東京公演では通路を使った演出もあったそうなので、また違って見えたかもしれませんが。

腐女子向けvs夢女子向け

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 もの凄く端的に結論付けると、刀ステは腐女子向け、刀ミュは夢女子向けの演出が多かったと思います。勿論、そういう傾向があるというだけで、腐が嫌いな人はステは見ない方が良いとか、そういう意図はありません。

 ステの方はとにかく刀剣男士同士の仲が良さそう。仲良く描かれない刀剣達も居ますが、それはそれで何か重要な関係性があると匂わせる演出。それらは友情とも、主従とも、兄弟愛とも、恋慕とも取れます。
 また、刀剣男士同士だけではなくて、刀剣達と信長や蘭丸、蘭丸や光秀と信長といった者達の間にもそれは描かれます。
 そこに審神者(観客)の存在を挟み込む隙はほぼありません。そういう意味で、よく「壁になって推しCPを見ていたい」と言う腐女子を始めとしたタイプのファン向けです。
 腐女子でなければそもそも気にならないと思いますが、推しCP以外地雷みたいな拗らせ腐女子は余計な妄想せずに観るかメインで動いてるキャラ以外は見ない努力が必要かも。

 ミュの方は、刀剣同士で必要以上に仲良くしている印象は受けません。今剣と岩融は公式で仲良しですし。特にライブでは観客も参加して楽しむ演出となっています。自分を刀剣男士達が住む世界に入り込ませたい、或いは現実世界に刀剣男士達が居て欲しい、そういった夢女子を始めとしたタイプのファンには嬉しいと思います。
 その割にストーリーの方では審神者も登場しちゃうので、微妙なんですけどね…。近侍がこっちを向いてあれやこれや喋る割合は多いです。こっち向いてラブソングとか決め台詞とかもやってくれる。

その他細々した事

 主に不満ですな! 最早このセクションは比較もしてないな!

詳細

 ステの方は、まんばの最後の台詞がゲーム内と微妙に違うので、特に意味も無く表現を変えたのなら「違和感ある…」という感想しか出ません。確かにこっちの方が頻度高そうだし趣あるけど。
 それから、ステは少し役者さんの素を出す場面が多かったかな、と。日替わりシーンなんかは敢えて狙っていってるんでしょうし、私もTwitter含め楽しませていただきましたが、俳優自身のキャラが売りの分野ならではという感じですね。
 あとスピーカー近いと難聴なるね…。会場・座席によっては仕方無い事だと思うので、心配な方は耳栓持参で。

 ミュは歌詞に英語がバリバリ入ってると趣もなんもねーな、といった所ですかね。まだ清光ならわかるけど、じじいに歌わせるか…。かっこよかったけど。
 意外とミュの方が細かい不満は無いですね。

まとめ

 どちらの作品にもそれぞれの良さがありましたが、個人的には刀ステの方がお気に入りです。もうTwitterがただの刀ステ推すbotになっています。円盤発売までに発狂して死なないか心配です助けてください。

 ただ最初に書いたように、この二つの作品は大変それぞれの好みが分かれると思います。
 ステは脚本家の方が描きたかった刀剣男士の姿を体現する為、ミュは2.5次元世界へ話題と新しい層を呼び込む為に、それぞれ違った方向性で制作されています。それぞれ作り手の求めたものが違いますので、見る側もそのつもりで。

 とにかく、2.5次元舞台は面白い&凄いというのが伝われば。お金と機会があれば私の様に見比べてみるのも一興ですが、まずは気になった方の円盤からどうぞ。

 私はミュのノリについていく事が出来なかったけど、配信や円盤なら続編ちょっと見たいかなと思ってます。

 あと、私は元々普通のお芝居とかミュージカルが好きなので、2.5次元舞台をきっかけにそっちの方にも興味を持ってくれる人が居たら良いなあ。チケット争奪戦が激化するのは嫌だけどw