舞台『刀剣乱舞』の再演の円盤が来たので初演と比較する
タイトルの通り、舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺の再演の円盤が届いたので観ました。このところ体調不良と多忙でやっとこさ本編だけ観れました。
本当は初演を見返してからじっくり見比べたかったのですが、初演の方は何度も見てほぼ覚えているので、記憶を頼りに自分なりの解釈を含めつつ再演で変わった所(特に良かったところ)とか書きます。
此処から先、ネタバレしかありませんので、未見の人は円盤を買って観てから続きを読んでください。
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前回の記事に書いた点は基本的には省略します。
再演で良くなった所

円盤の出来が素晴らしい
今回撮影技術もかなり向上したらしく、まさに神編集。
初演の円盤はどうしても舞台背景が気になったり、発売予告動画と収録映像が違ったりして「予告動画の演出の方が良かった」と思った点もあったりしましたが、かなり改善されています。
殺陣が多く激しくなったのも要因かと思いますが、映像でも迫力満点に仕上がっています。
また、俳優さんの顔アップが増えた印象。しかし初演の時の様に汗だらだらで見苦しいような事も無く、舞台側でもアップでの収録を前提とした演技や工夫がされたのだと見受けられます。
演技や歌が上手くなっている
若い俳優さんが顕著ですが初演の時よりもキャラの作り込みがされ、随分感情が理解しやすい演技になっていました。
敢えて演出を変えたと思われる三日月役の鈴木さんや、演技というより完全に「不動が生きている」と感じさせる自然さの椎名さん達についてはもう流石…という感じです。
不動に関しては画面に映る度に、「今こういう事考えてるんだろうな」というのが表情から分かるんですよね。仲間の言葉が少しずつ胸に響いてるんだろうな、とか、今のは宗三に見惚れてたな、とか。素晴らしいしか演技を褒める私の語彙が無くて辛い…この舞台は語彙力を低下させる…。
劇場ではどうしても音が汚くなりがちですが、OP/EDの歌唱のハモリも円盤では綺麗に抑えられていました。
また、全体的に(三日月を除いて)演技が原作寄りになっています。特に俳優さんが変わった2役。
小夜訳の納谷君は声を出すのがとても上手くなった上、殺陣のキレはそのままでとてもカッコイイ。アップシーンが多くて殺陣が切れ切れになってしまうので(カメラも良く動くし)また時間がある時に全景で見たいです。
初演では長谷部は必要以上に不動に攻撃的で、逆に薬研はこれでもかというほど宗三に甘かった(そしてカッコつけ)ですが、その辺りも原作のキャラの思考を研究されたのか抑えめになっています。
とにかくほんとに色々良くなってるので皆買って観てくれ~ヾ(:3ノシヾ)ノシ
物語の個人的な解釈
此処からは光秀と蘭丸について。この二人の演技もすごく良くなってました!
再演が最も初演と違うのはこの二人の演出で、性格も初演とはひっくり返った様になっています。その中でも注目していただきたいのが光秀の「怯え」の演技です。
初演では「光秀の謀叛の動機が弱い」との感想を見かける事がありました。再演では、その点を補う為か、光秀の役がより一層作り込まれたように感じます。
巷では蘭丸の今度こそ
ばかり話題になりますが…まああれはインパクト強いですもんね。二次創作のネタにしやすいし。
まず、円盤を観る時に、光秀の年齢を想像してください。初演での窪寺さんの演技を思い返しながら観ていても、再演の方がずっと年寄りに見えるんです。
光秀は初演では落ち着いた、少し暗い印象のおじさんという感じ。再演では蘭丸に積極的に声をかける明朗なキャラなのですが、凄く老けて見える。ストーリーが進むに従って髪型なども少し変わって、明らかに老い衰えていく。
少し呆けた様な演技も、更に磨きがかかっていました。
また、初演でも再演でも光秀は「殺せ!」と叫びますが、私は初演では武士道的な気概でそう言っているのだと思っていました。
でも、再演だとその前に「怯え」の演技が入るので、案外そうではないのではないか。寧ろやけっぱちなのでは、と思いました。
光秀は何に怯えていたのか。信長を討つための謀叛でどうして「蘭丸」と憎しみを込めたのか。不動に襲われて息をのんだ時、彼の目に見えていたのは本当に不動の凶刃だけだったのか。すぐ後で「殺せ!」と腹を括れる武将が今更、(見た目は)子供の持つ短刀一つに、冷静に対処できないものでしょうか。
私個人はそのシーンで、光秀は不動に蘭丸の影(若さ)を見たのではないかと思っています。
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