Forst
左手の
靴を脱いで
生きていく
屍の上 被せた葉を
振り返る眼を抉るぞ
しがみつく腕をもごうか
囁きは反響して
灯りは不要だろう
この手を縋っていよう
口車に乗せられて
少女は行く 道無き道を
瞳孔がすっかり開いたら
手を放して踏み出そう
生きているこの森は
想い出の中 過ごした日を褪せさせる時の様に
疑った愛を殺して
嘯いた恋を燃やそう
蠢いた百足の脚 現と夢を交ぜた
時計は不要だろう
この輪に端など無い
そう思った日も遠く
少女は指
左手の指輪を外したら
靴を脱いで踏み出すの
生きていくこの森で
誰にも咎められず
瞳孔がすっかり開いたら
瞼を伏せ土を被す
道の無いこの森は
想い出の中 過ごした日を褪せさせる時の様に
無邪気な罪は世界を殺す
一途な愛は貴方を壊す
無慈悲な神が全てを創る
それが彼女の真実ならば
左手の指輪を外したら
靴を脱いで踏み出すの
生きていくこの森で
屍の上 被せた葉を朽ちさせる蟲の様に
想い出の中 過ごした日を褪せさせる時に沿い