Lure
ゆら、ゆらゆらと
頭上に揺蕩う異物
強化ガラスに
映った蒼白な頬
君は問う
「この手を掴んでみたいか」と
僕を射抜く
その眼が一番怖いのは
僕だろう
履き違えた言葉の意味
制御不能な衝動に身を任せ
後も先も無い
僕は生命の形を変えていた
吐き散らした毒の花に
命綱などこの手で引き千切って
飛び付いた疑似餌は
信じられないくらい綺麗だった
覚えているだろう?
今も問う
「この死に意味などあったか」と
答えは無い
否定が一番怖いのは
誰だろう
突き飛ばした君の腕は
折れてしまいそうな程に儚くて
また煽るんだね
僕は生きる事の咎を得ていた
刺し違えた刃の先
後戻りなどこの手で破り棄てて
喰い付いた疑似餌は
世界の終わりを指し示していた
君の所為だね
履き違えた言葉の意味
制御不能な衝動に身を任せ
後も先も無い
僕は生命の形を変えていた
銜え込んだ無機質から
痛いほど伝うものの区別なんて
もう欲しくもない
信じられないくらい綺麗だった
愛と見紛うほど