第7章:スツルムの手紙

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  • 1495字


 皆、元気にしているか。――の怪我の具合はどうだ。
 この前もよろず屋に頼んでお金を送ったんだが、ちゃんと届いただろうか? 返済が残っている内は皆不安だろうが、あたしも送金を増やすから、頑張ってほしい。
 あたしの方は元気だ。何も心配する事は無い。

 最近は、傭兵ギルドからの紹介じゃなく、特定のフリーの傭兵と一緒に仕事をする事が多い。
 そいつはドランクと言って、あたしより少し年上のエルーンなんだが、高度な魔法の使い手で頼りにしている。本当の名前は知らない。
 金銭面でもかなり援助してもらっている。もし、会う機会があればお前達からも礼を言うように。

 そう言えば、前の手紙で傭兵の一日がどんなものが知りたいと言っていたな。規則正しい生活とは程遠い仕事だが、仕事がある時はだいたい以下のような感じだ。

 朝はそんなに早くない事が多い。大抵ドランクの方が先に起きていて、あたしが起きた時には身支度も終え、本を読みながらあたしと朝食を摂るのを待っている。
 朝食を終えると、その日一日の予定を確認する。大抵、ドランクが手帖を読み上げるだけだ。

 その後、依頼主に会いに行って、仕事をする。あちこち移動したり、泊りがけだったりする事もある。
 依頼人との交渉や帳簿付けも、ドランクがやってくれて助かっている。

 仕事が終わったら、ドランクと夕食を摂る。ドランクは美味しい店を良く知っている。
 その後は宿を取って泊まる。あたしもドランクも、今は家を持っていないからな。
 宿に行く前に、空き地や公園で組み手の相手をしてもらう事もある。体が鈍っては仕事にならないからな。

 宿では、あたしは剣の手入れをする。ドランクは仕事の記録を付けて、調べ物や勉強をしている。ドランクの勤勉な所は、あたしも見習いたい。
 良い時間になったら二人で日課のストレッチとトレーニングをする。あたしがシャワーから出ると、ドランクはもう寝ている事が多い。

 あたしはドランクが寝た後、こうやって手紙を書いたり読んだり、瞑想したり、裁縫したりする。時々熱中して夜ふかしして、朝自分で起きないとドランクに叱られる。
 そういえば、父さんや母さんが生きてた頃も、あたしはそんな感じだったね。

 あたしの一日はこんな感じ。特に面白くもないだろう。
 最近はギルドの方にあまり立ち寄らないので、手紙の返事が遅くなってすまない。でも、どうか心配しないでほしい。
 手紙が書けなくても、またお金はすぐに送る。


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