第6章:枯れた後に花は咲く

  • G
  • 6429字


「いやほんと体鈍るよ」
 僕は帰って来るなり、先程の団長さんと同じようにソファに身を投げ出した。うつ伏せになって顔を覆う。
「ただでさえ太りやすい体質なのにー」
「それでサラダしか食べなかったんだ。てっきりお肉嫌いなのかと」
「大好きだよー。でもいつもスツルム殿にあげてる」
 団長さんの問いに答えると、カタリナさんが笑った。
「君達は体力が命だしな。グランサイファーの甲板で運動でもしてきたらどうだ」
「そうしようかなあ。流石に艇の上なら誰かに見られる事も無いだろうし」
 服を着替えながら、スツルム殿も誘おうと思い付く。厨房に赴くと、彼女はナルメアさんと共に空気椅子をしていた。
「あっ、ドランクさん! ……じゃなかった、旦那様!」
 ルリアちゃんも居たが、こちらは空気椅子をしようとしては一秒保たずに転げている様子。
「お昼ご飯ですか?」
「演技しなくて大丈夫だよ、此処は屋敷の中心に近いし。あとお昼は食べて来ちゃったから、晩御飯で食べるね。スツルム殿を鍛錬に誘いに来たんだけど」
「今やっている。お前もやるか?」
空気椅子[これ]は毎晩やってるよぉ。もっと体を動かすやつがしたい」
「一人でやれ」
「りょーかい。じゃあね、ルリアちゃん。最初は壁に背を付けてやると良いよ」
「ありがとうございます!」
 踵を返すと、ナルメアさんのくすくすという笑い声が追いかけてくる。
「そんなに冷たく言わなくても良いじゃない」
「冷たかったか? いつもこんな感じだが……」
「もっと理由を言ったりした方が、誤解されなくて良いと思うわ」
 ま、いつもの事だし、スツルム殿に悪気が無いのは解ってるから気にしてないけど。今度はもうちょっと柔らかいスツルム殿が見れるかな?
 そんな期待にウキウキしながら崖に向かって歩いていたものだから、随分近くに寄るまで、僕はそれに気付かなかった。


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