第4章:消えたジータちゃん

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  • 5596字

「何処に行っていたんだ!?」
 僕がグランサイファーに戻ると、いきなり眼鏡の男が怒鳴ってきた。アイザック、と言ったっけ。
「な、何? どうしたの?」
「どうしたもこうしたもあるか。未成年二人をこんな遅くまで連れ歩いて」
 スツルム殿が半分は同情し、半分は呆れた声を出す。僕が怪訝な顔をした一方で、彼女は元々丸い目を更に丸くした。
「おい、二人はどうした?」
「どうしたって……とっくに帰らせたよ」
「とっくに? いつ!?」
 アイザックが掴みかかってきて怒鳴り散らす。ラカムがその肩を引っ張って、僕を解放してくれた。
「ってこたあドランク、お前も途中で別れてからは、あいつらの行方は知らないんだな」
「うん……つまりは戻って来てないんだね?」
「ああ。二人共だ」
 僕は乱れた服を直し、時計を見る。
「僕が彼女達と別れたのは三時間前だよ。その後野暮用が出来てね。団長さんが道はわかるって言ったから、先に戻ってもらって、僕はそれの対処をしていた」
「先に戻ってもらったって、知らない町で夜に女の子だけで歩かせたらどうなるかなんて想像がつくだろう!?」
「落ち着けアイザック。ああ、アイザックはグウィンの兄貴だ。心配する気持ちも解ってやってくれ」
 ラカムが察して説明してくれる。彼だって団長さんの事は心配だろうに。自分よりもパニックになっている人間が居ると逆に冷静で居られるアレか。
「参ったな……」
 それでも、二人が行方不明なのは事実だ。この三時間、僕だって闇を駆けずり回って仕事はしたが、もしかするとしくじったのかもしれない。
「すぐに捜索に出よう」
「当たり前だ! まったく、大人[きみ]が一緒だからとこの時間までじっと待ってたのが悪かった!」
 再び艇を降りる。捜索隊には組織の人達と、スツルム殿も加わった。
「ラカムは行かないの?」
 昇降口に見送りに来ていた彼に問う。
「……信じて待ってる」
 団長さんの事を。そして僕達の事を。僕はその判断を否定はしなかった。
「さて、そんなに心配する事は無いだろう。グウィンはああ見えて、戦闘能力は組織の中でもかなり高い方だったし、怪しい人間にホイホイついて行くほど分別が無いとは思えん」
「それはどうだろうなあ」
 イルザの見立てに疑問を呈したのはアイザックだ。イルザは特に反論はしなかった。
「とにかく、小さい町だ。この人数で練り歩けば日付が変わるまでには見つかるだろう」


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