PG12 6052字初期刀 山姥切国広は、鏡で自分の姿を見て驚いた。金の髪、碧の眼、整った顔立ち。綺麗だ、と自分でも思ってしまって、慌てて頭の上の布を引っ張る。こんな姿を想像していただろうか。顔にかかる前髪を一房摘んでみる。思
PG12 6955字西暦二二〇三年 三月 鶴丸国永は大きな蔵の中で踊っていた。ひらり、ひらり。上機嫌で着物の袖を翻す。揺れる髪はまるで雪の様に白いが、その顔は若者の風貌だ。陽が差さぬ蔵の奥には、薄く微笑みを浮かべてその様子を見る男の姿