プラスティック
昼過ぎの遠雷
降り出す夕立
温い温い>雨などに
濡れてしまう
まだ君に触れていないのに
大っ嫌いよ
電話の回数が多い男
大っ嫌いよ
電話一つ掛けて来ない君
嗚呼 透明な
プラスティックに守られているんだろう
いや 違うな
不可抗力に隔たれているんだろう
明け方の嵐に
気付かず寝ていた
冷えた冷えた>風などに
窓を開けて
まだ君に触れていないのに
閉じればどうだ
下らぬ話しかしない口
閉じればどうだ
君が居ない夜に怯える眼
嗚呼 安物の
プラスティックに囲まれているんだろう
いや 違うな
手を伸ばす勇気が欠けているんだろう
夕暮れの背後に
伸びる影法師
暗い暗い>闇などに
消えてしまう
君が居る確信も何も
モニターも マイクも
顔だって 声だって
昼過ぎの遠雷
降り出す夕立
柔い柔い>雨などに
流れていく
まだ君に触れていないから