誰そ彼
鉄塔の向こうに広がる赤と青の空
信号も同じ色で曲がる路地照らしてた
涼しい茜色を僕は初めて見た
此処は隣町
電車の下を潜り抜け
誰と出逢う?
もう此処には居られないと気付いて
泣きながら家へ帰ったあの日
夕焼けはただ朱かった
焼けるように熱かった
通りゃんせ鳴りだす誰も居ない交差点を
冷えていく風に追われる様に急いでいた
もう僕の街には黄昏時なんて無い
君の町にしか
日が暮れていけばいく程
君が見える
もう君には会えないと悟って
震えてた 部屋で独り悔やんでた
あの夜は明るかった
全てを照らし出していた
明る過ぎてカメラに映らない街灯
此処は僕の街
手摺りの無い階段上り
君と出逢う
永遠も完全も在りはしない
厚い雲が覆い被さる様に
突然見えなくなった
この河の向こう側に
もう誰にも恋しないと何度も
何度も刻んでも無意味だった
君を憎む事も忘れる事も出来ないんだ
ならせめて想い出に